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2012年8月30日 (木)

『本田宗一郎 夢を力に』 本田宗一郎 (23)

■工夫しようよ

なんというかこりゃ技術者だ。よくある実業家の経済的大成功話かなと思って読み始めたけれどそういうのとは違っていた。明るくて楽しくて、神経のず太い本田のなにか新しいことしてやろうというその軌跡が書かれている。掲載後もまだまだ波乱含みで面白そうだけれど書かれているのは人生の3分の2くらいまで。

今はほとんど見なくなっちゃったけど昔の元気なおっちゃんってこんな感じだったと思う。特に中小企業の叩き上げ。自分の考え方に固執してぐいぐいくる、人の話が正しいと思っても俺にそれはできないとか言ってムスッとする、でもよく笑う、そんな人達。敵が凄い多いの。ばんばんいくから。でも、味方もいる。一国一城の主。はっきりいって頭おかしいんだ。自分勝手で他人の意見もほとんど聞かない。賢くなった今の人には絶対マネできない煽り方とか。でもこういった人の持ってるパワーはみんなを引き摺っていく。近くにいるだけで嬉しいし、褒められちゃったりなんかするともう幸せすぎて困るぐらい。楽しくなくてもがんばれちゃうし、ヤル気も勝手に引き出される。何なんだろう、本人の自信に憧れたり、縋ったり、自分に自信のないことに気づいてしまっている人には神様みたいなもんなんだと思う。自信はそのまま魅力ってことなんだ。

お金を持っている人の説く精神論は大概にくだらないものだと思っているから、本田の自伝にそういったものが少なくてよかった。目標を持つこと、そしたらそれに向かってがんばること、骨組はこれだけ。あとはがんばるとき、頭を捻りに捻って工夫するということぐらい。こだわりも述べているけれど、感傷的だと自分で付け加える潔さ。遊び好きの技術者。本田はつまりそういう人なんだ。

私の履歴書だから仕事の経歴中心なのはしかたがないけれど、それでも十分熱気は伝わってきた。自分の好きなことが仕事の人なのだからそりゃ熱の入り具合が違うよね。その熱気が人間性として伝わってくる。それに私も少しだけ感化されました。

自伝部分は100ページない少なさで全然物足りないけれど、それでも結構面白い。もっと内容濃くして、もう1冊私の履歴書シリーズじゃないものを書いてくれていればなぁと思う。一番のベストは本人に会って直接聞くことだろうけれど。直接会いたいという意味ではこんなに会ってみたい人もいない。本田と意気投合さえすれば、恐らく書けないようなエピソードがたくさんで、最高に楽しい時間になるのは間違いない。激しく笑い転げるか、激しく怒られるか、どちらにしても会ってみたいよなぁ。今、こんな人っているんだろうか。

★自伝評価
・オススメ :■■■■□
・役立ち   :■■■□□
・面白い   :■■■■□
・感動     :■■■□□

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