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2012年2月 4日 (土)

『私の行き方 考え方』 松下幸之助 (18)

■生き方ではなく行き方

ゼロから事業を築いた人だから自分の歴史と会社の歴史は切り離せない、この本は社内報
に連載された経緯からも会社の方に軸足が置かれている。松下の生き方というよりも会社
の行き方といえる。勤め先を辞めるまでと独立後では面白さが違って、自分だけから事業
まで、責任の範囲が広がっていく。責任を感じる部分までが自分の人生といえるようで会
社がみるみる松下と同一化していく。創業者のおもしろさ、及ぼす力の範囲拡大が気持ち
いい。生い立ちからも責任感こそが松下を考える鍵になりそうだ。

なにがいいって現代における成功、社会的な力を得る過程が垣間見られることだ。事業を
興して成功する。こんなにシンプルでわかりやすい成功物語はない。しかも自伝形式だか
ら都合の悪い部分はバッサリカット、軽い失敗からの大ききな教訓、そして成功に続く成
功、読んで楽しくない訳がない。あれ、もしかして私にもできるんじゃ、なんて気持ちに
もさせてくれる。大成功への可能性、自分の可能性を感じられるのだから最高だ。でもこ
れって一面的過ぎないかな、会社報掲載のものだからしかたがないけれど本当はもっと泥
臭い小汚い部分が、商売人の知恵とでもいう部分が見えなくなっているんじゃないか、穿
ってみればこれ会社報に掲載させたものでしょ、となる。人心掌握術に長けているなぁ、
人が喜ぶところ、熱が入るところ、そういったものに敏感で、それこそが本当の松下の武
器で商売人最大の武器なんじゃないかと思わせられる。どうすれば人が喜ぶか、気持ちい
いかがわかればもう勝ったも同然なんだ。

時代の流れを読むこと、特に未来を読むことがどれ程大切なことなのかがわかる。今、か
ら始まって未来の流れにあわせて戦略を練る。先んずれば一人勝ちもできる。でもどうす
れば未来を読めるのか、現状の不満から予測すればいいのか。よく言われる海外、アメリ
カを見れば見えてくるのか。社会情勢なのか、大衆心理なのか、まるでわからない。わか
りそうでわからない。もっと身近なところにヒントがあるのか。ソフトバンクの社長の話
を思い出したけれど、それでは解決できそうもない。具体的にどうすればいいんだ。

★自伝評価
・オススメ :■■■□□
・役立ち   :■■■□□
・面白い   :■■■■□
・感動     :■■□□□

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